真綿にくるむ
お年玉として、甥っ子ふたりに絵本をあげた。
本をプレゼントするときは、5冊選ぶことが多い。だいたいの内訳は、甥っ子達がその時に興味を持っている本を1冊ずつ(虫とか魚とか船とか)、わたしが子供の頃にすきだった本を1冊、生活(はやく寝ろ、とか)に関する本もしくは下の甥がひとりで読めそうな本を1冊、全然知らない最近出たような本を1冊……という感じ。ひとめぼれしなければ際限なく迷い続けてしまうので、あらかじめ決めている。
でも、迷っているわけでなくても本屋さんでの買いものは時間がかかる。つい懐かしい本をパラパラしてしまったりする。その時に、ええっ……この話にこんなに残酷なシーンあったっけ? と驚く。
自分の記憶からすっぽぬけているのだ。
二番煎じじいさんが鬼に怒られて流血沙汰! とかに、何十年の時を越えて大人のわたしが動揺している。
子供ってそんなもんなんやろな……とおもいつつも、甥っ子にプレゼントするのは違う本を選びなおす。
わたしのような人間が、世の中をマイルドにしてしまっているに違いない。
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