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プレゼント

そういえば、今年の母の日には家族で大きな花束を母に贈ったのだった。
 
母も喜んでくれて、花を保たせる薬を花瓶に入れたりして結構長く咲いていた。今はさすがに随分間引いて、まだ咲いているお花だけを水に浮かべているけれど。

それを見た5歳の甥が、母のいない時にそっとわたしに「おばばちゃんがこのお花大切にしてるん、なんで?」と訊ねてきた。
 
「そりゃあ、りゅう(甥の名)がくれたんやもん。大事にするよ」(プレゼンターは彼だった) 

ふうん、と言いながらも甥は納得できない顔で「でも、おばばちゃんはお花あげた時にいらんって言ってたのにな」と呟いていた。
 
そうやっけ? とおもいかえしてみると、確かに母はお花を贈呈した時に「こんなんいいのに~」と言っていた。
 
 
相手が遠慮しているというのは、何歳くらいから解るんだろう。甥はたまに自分でも「いいよ、いいよ!」と遠慮している風のことを言うことがあるので、てっきりそのあたりのことは弁えていると勘違いしていた。
 
かくいうわたしも、これは遠慮か? それとも「迷惑です」の婉曲表現か?? と本気で悩むことはよくある。
 
 
むずかしいねぇ。でもおばばちゃんは喜んでいたよ、ということを甥に伝えるのと同時に、
 
「あのね、女の子の“いいのに”はたいがいの場合、真に受けるのはよくないから。迷ったらとりあえずGO! 肝に銘じて!」
 
と、話しておいた。意味は解らないだろうが、こういうことの積み重ねがいつか差になるような気がする。
 
伯母からのささやかなプレゼントだ。

 
ところで、我が家では、母の日はカーネーション以外の花を贈る慣わしになっている。それは、小学生のわたしが、母の日にカーネーションを渡したところ「お母さん、カーネーションめっちゃ嫌いやねん」と一蹴されたことによる。
 
母的には、オリジナリティを養うべくの荒療治だったのかもしれない。けれど甥には、こういう親族のもとに生まれてきたからには、もっとハートを鍛えないと大きくなれないぞ、とおもう。

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