ご長寿のひみつ
先々週の日曜日の朝。外出する前に、父に大河ドラマの録画を頼まれていたことをおもいだし、予約録画をしておこうとテレビを点けた。
画面では、オーケストラを背にしたデーモン小暮閣下がディープパープルをうたっている。うわ、と動揺しつつも、そこまで時間がなかったのでさっさと用事を済ませて家をでた。しかし、1日が終わるまでのあいだ、何度か閣下のことをおもった。
日曜日の朝にデーモン。何故、という気持ちを拭いきれない。
そして先日。寝るまえになって、そういえば…と再び閣下の顔が浮かんだ。数日前の日曜日の新聞を探しだし、テレビ欄を確かめた。
題名のない音楽会…ビートルズ名曲 吹奏楽と民謡で熱演!
「題名のない音楽会」といえば、子供の頃にビックリマンやメイプルタウン物語などのアニメのあとに始まる、すごくガッカリさせられていたあの番組…。もうガキの時間は終わりだ! と、言わんばかりの厳つい雰囲気だった記憶がある。気のせいか、出光のCMもちょっと怖かった。まだ放送されていたのか。しかも、やけにはっちゃけた番組内容ではないか。
これがあれか。年齢を重ねて丸くなる、というやつか。でも何十年も番組を観ていないわたしは、とてもじゃないがそんなに簡単に心の位置を変えられない。
まるで真面目で無口な上司の酔態を目にした時のような戸惑い。
こういう時、すぐに追いつきますから! と杯を重ねても、なかなか酔っ払えないのはどういう仕組みだろう。あ、そういう話じゃない。
今、わたしが手をかけているこの扉は、果たして開けてもいい扉なのだろうか。でも観たい。この目で確かめたい。
好奇心は猫を殺すという。
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