センスの塊

甥たちとお風呂。彼らはお風呂がすきだ。
　
1歳の甥をお風呂からあがらせたあとも、3歳の甥のほうはいつまでも湯船であそんでいる。お湯がぬるくなりすぎて、わたしが限界を感じると、追い焚きをかまして甥っ子を追いだす。
　
　
先日、お風呂で甥がイルカの玩具を渡してきて、
「イルカさん、お名前はなんですか？」
と、訊ねてきた。
　
ドルくんです！ と、とっさに答えたが、我ながらお湯の温度が5℃下がるダサさ。すかさず追い焚きのスイッチをオンした。
　
3歳の甥に遅れること数分。わたしもお風呂からあがると、その甥がRodyというロバの玩具（幼児が乗ってあそぶやつ）を引っ張ってきて、わたしに名前を訊いてくれと言う。
　
こんばんは！ 君の名前はなに？
　
「どーもどーも。しちにがつくんです」
　
　
し……7、2月！？
　
　
斬新！
　
　
わたしには大きな忘れ物がある。取りに戻ることはかなわない。