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ピッカリ史

懐中電灯は、とてもじゃないけどフトコロには入らない。そりゃまぁ、天井からぶら下がってる電灯よりかは入るけど。

その条件を満たしているのはペンライトなのに、どうしてあいつをそんな小粋な名で呼ばなくてはいけないのか。避難袋の点検をしながら、そんなことばかりを考えていた。

 

もしかして、昔は懐中に収まる大きさだったのだろうか。でも小型化軽量化がすきな日本人が、わざわざ大きくしたりするだろうか。工夫したのだろうか。蛍光灯とのダブル使いができるやつが我が家にもある。

そういえば、昔、父がダムに夜釣りをしに行く時はオデコにゴムバンドで電灯を装着していた。あれなら小さいから、真の懐中電灯といえるかもしれない。でもフトコロに仕舞う気は一切ないけどな! 父は今も使っているのか?

子供の頃は、近所の友達と毎晩9時に光の信号を送りあったり、サーチライトのように夜空を懐中電灯で照らしては、「宇宙が無限っていうのは嘘じゃねーの。宇宙なんてあるのか? もしかして外国とかも存在しないのかもな」とか考えていた。当時は福井県と和歌山県と鳥取県の範囲しか行ったことがなかったのだ。(しかも移動中は車酔いで寝てた)

あ! 中学校の技術の授業で懐中電灯を作った! あれはどこへやった? そっかぁ、捨てちゃったんだ…まぁそうだよね、わたしが作った懐中電灯なんて、わたしが一番信用できない。

 

ふとしたきっかけで溢れだす、わたしの懐中電灯メモリー。懐中電灯が懐中電灯以上の意味を持ったことなど今までなかったのに。

この世には、懐中電灯の数よりはるかに多い、懐中電灯にまつわる想い出がきっとかがやいている。

 

懐中電灯がすきですきで、いつも懐中電灯を鞄に入れていた知り合いがいたのだけれど、彼の想い出たるや他の追随を許さない数だろう。

下戸の彼は今でも、いい気分で呑んでいる酔っ払いの顔を照らしているのだろうか。

よそのテーブルのお客さんはやめろ。また殴られるから。

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