« わたしのかたち | トップページ | 夏の陽 »

甘露

日中はまだまだ暑いが、さすがに朝夕は涼しくなってきた。

1ヶ月ほど前までは、朝か夕方に30分ほど走っていたのだけれど、熱中症になってしまってからは中断していた。そろそろ再開しようか。

もともとスポーツはすきじゃないので、走りだすまでは忘れていたのだが、走り終えてぜーぜーしながら飲むお茶は、ありえないくらいにおいしい。

 

わたしは中学校の時にテニス部にはいっていた。夏場は1.5リットルの魔法瓶と、2リットルのペットボトルに凍らせたお茶を2本持って学校に行っていた。おかあさん、ありがとう。

しかし、わたしは部活中ノー給水ジェネレーションでもあるので、こまめな水分補給なんて常識はどこにもなかった。グラウンドの片隅にラインテープとネットが張られたコートは、皆が駆け回るたびに、もうもうと砂煙がたつ。それを防ぐために水撒きをするのだが、水汲みをよそおって水をがぶがぶ飲んだ。

その蛇口は地面に埋まっていて、バケツに汲む水は泥水に近かった。でも汚いと言う女子はひとりもいなかった。お腹をこわしたひともいなかった。

あの時代、日本各地で大変な数のスポーツマンがあやしい水を飲んでいただろう。

 

でも、今。

汗だくだくで飲むお茶は、あの泥水のおいしさを寸分違わず蘇らせてくれるのだ。それなりにつらかったはずなのに、むしろ素敵な思い出として蘇ってくれるのだ。

しかし年を重ねて弱ったわたしの胃腸は、突然の冷たいお茶の摂取により、かなりな確率で痛みだす。

安全って何だ。

|

« わたしのかたち | トップページ | 夏の陽 »

日々のこと」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。