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プチトマトとの日々

結構前に、プチトマトの苗が安売りされていたものだから、3本買ってベランダのプランターに植えてみたのだ。

当初はひょろりと細かったプチトマトの苗も、日に日に濃い緑の葉をもさもさと繁らせ、なにがなんだかな茂みのよそおいで絡まりあっている。

観葉植物などにはいつも手を掛けすぎて腐らせてしまっていたため、今回のプチトマトは、栄養として米のとぎ汁を与えるほかは、剪定も肥料も一切なしの放任を決め込んでいた。なんとしてでも収穫に持ち込んでやる、という決意のあらわれだ。けれど、ある日トマトはみんなで仲良く倒れてしまっていた。

ああ、支柱がいるんだっけか。

その時にようやくおもい至って、支柱を買いに走ったくらいのお寝坊さんなわたしだ。なにしろ、プチトマトと暮らすにあたっての生育方針は「甘いトマトは極限まで水を控えて育てる」という海原雄山(美味しんぼ)の教えのみ。ああ、それじゃあわたしがやることってそんなにないねー、という解釈のもとに接してきたのだ。

ところが一度地を這ったプチトマトは、以来へなへなと葉っぱの張りをなくして、完全に支柱にすべてを任せて寄りかかっている。

「おい、がんばれ!プチトマト達よ!」

わたしは励ました。

米のとぎ汁を増量したり、さすがに葉っぱや茎を省いてやったり、ハミングで威風堂々を聴かせてやったり、茨木のり子の詩を読んでやったりした。

傍らに雄山先生がいない以上、プチトマトには自分の力で立ち上がってもらうほかに方法はない。(雄山先生は農のひとではないんだけども)

 

なにかが功を奏したか。それとも、こいつじゃだめだと、わたしに見切りをつけたのか。徐々にプチトマトは元気を取り戻し、きゅっとかたく膨れた青い実を、いくつもつけた。

やるなぁ、プチトマト。そしてちょっとだけわたし!

ゴールまで気を抜くな!

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コメント

茨木のり子の詩の朗読が効いたに1票。
何せ、とんでもないところから青空が見えたり、法律の中でうたたねしているもん字に火をつけたりするのだから、効かないはずない(笑)

茨木のり子、いいですよねー。

投稿: はやかつ | 2010年6月 5日 (土) 00時56分

はやかつさん

わたしがのろのろしてる間に、実がひとつ色づきましたよ!すみません、遅くて…。
 
茨木のり子はあまりにも心の弱った時に読むと逆効果のときもありますが(厳しいぜ、のり子!)、だいすきです。
気のせいか、昭和を生きた女は凛々しいです。憧れです。
わたしも、ばりばりの昭和生まれですけど。

投稿: タキガワ | 2010年6月19日 (土) 23時55分

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