髪が抜ける。
シャンプーの度にごっそりと抜け、何かしらの作業の時にも、はらりと落ちる。
母に訊くと、抜け替わりの季節だから…と言っていたが、毎年こんなに抜けていただろうか。
多少は心配なものの、もともとの毛量がものすごく多いため、人並みくらいになれるチャンスかもしれない。世間的に、髪をすくというカット法がまだまだ甘かった時代には、すこし伸びただけで連獅子をおもわせるボリューム感になっていたし、お下げを結えば荒縄をぶらつかせているようだった。
まあ、いざというときにはイブマイン(ぱちっと付ける部分かつら)もあるし、気に病むな!わたし!
中学生の頃。
学習塾で、数学の問題を解いていると、難しい問題のところで必ず講師が「おう、どうした~?」と声を掛けにきてくれた。
そのタイミングがいつも、こんがらがった思考が袋小路にはいる寸前だったので、不思議におもったわたしはある日先生に訊いてみた。
すると、先生は「タキガワが何やややこしいこと考えてる時って、頭の毛が立つねん」と答えた。
ゲゲゲの鬼太郎さながらに(頭から針をだす攻撃)、頭頂部のあほ毛(切れ毛や新毛などの短い髪)がどんどん逆立ってくるらしいのだ。
「自分、髪の毛も全体的に膨らんでくるしな。髪の毛短くしたら、おもろいんちゃう?」
みんなもそうなんだろうか。
わたしのヘアスタイルの強敵は、湿気でもくせっ毛でもなく、数学の問題。雨の日でも寝癖でもなく、数学の問題。
わたしがお洒落して歩いている日は、多分勝負の日です。数学の問題を強要するのはご遠慮ください。
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