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かわいこぶり

うちのマンションの共用廊下に、夏になると、かなぶんがひっくり返っている。

それを元に戻すのが習慣なのだが、3年に1匹ほどの割合でタマムシがひっくり返っている。

甥っ子(1歳2ヶ月)を散歩に連れて行った帰り、タマムシがもがいていたので、救出ついでに甥によくみせてやろうとおもった。

掌にのせて、甥に近づけたところ、タマムシがさかさかさかっと指先に移動して飛び立った。甥めがけて。

ぁた――――――――ッ!!!

あまりに大きく、憶えのないひとの声だったのでわたしも驚いたが、どう考えても甥の声。なんだ、今の。腹から出したろう。おっさんとは言わないが、小5くらいの声だったぞ!

 

甥のおしゃべりはいつも、囁くようなあかちゃんの声で“あしょしょしょしょしょ…”“だっ”など、実にあどけない。それを聞いて、オトナたちは(かわいい…かわいいよ~)とうち震えているわけだ。

なのに。なのに。

人間のこどもは究極の未熟児…と中学の生活の授業でそう習った記憶があるが、あいつらは、結構いろいろ隠してるんじゃないか。小出しにしているんじゃないか。

かわいさに騙されないように、気を引き締めてかかりたいとおもう。

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