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若気の至り

CD屋さんの前を通ったら、入口にDREAMS COME TRUEのポスターが貼ってあり、でっかい太字で「ドリってる?」って書いてあった。

あれは何年前のことだったろう。ドリカムのドキュメンタリーをテレビで観たとき、メンバーの2人が、ドリカムと言わず、ドリと言っていた。

「ドリの音楽は…」といったような用法だ。

そのときに、少し嫌な予感はしていたが、そうかー“ドリカム”っていくら縮めても毎日触れ合ってるひとたちとしては、もっと縮めたいのかもしれない…とおもうことにした。

だが、やはりそうではなかったようだ。堂々の「これからはドリって呼んで」パターンだったのだ。

 

高校生の頃、中学時代から遊んでいた友人が藪から棒に「今日からマキって下の名前で呼んで!」と発言していたことがあった。しかも、卒業数週間前に。

当時、今の5倍くらい性格が悪かったわたしは、それでも彼女を従来の愛称で呼び続けたまま卒業を迎えた。

きっちょん!きっちょん!

 

今おもえば、なんでそんな面倒なおもしろがりをしていたのか。よっぽど気力と体力が有り余っていたに違いない。事なかれ主義というコトバを知ってるか?

あれから早幾年。もういい年をしたおとななんだから、わたしも素直に「ドリ」と呼んでいこうとおもう。

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抱きしめたい

街にでると、たま~に「FREE HUG」の表記を持ったひとが立っている。

誰とでもぎゅっと抱き合おう、というアレだ。

相手によるけれど、わたしはスキンシップの類が嫌いじゃない。痴漢などはありえないが、稀にいる腕だの背中などに触れてくる上司くらいならば抵抗なく受け入れられる。知り合いで、皮膚のうすいところに触れられない限りは、まあまあまあ…といった感じだ。

なので、フリーハグもやってみたい気持ちはあるのだが、わたしの見掛けるフリーハグさんは、俯きがちで、にこりともしない人ばっかりだ。どう汲み取っても消極的そうで、何でまたフリーハグの世界に足を踏み入れたのか?問い詰めたいタイプばかりだ。

「ハグ」というと、ハーイでイエーできゅっ、じゃあバーイ!というイメージなのだが、わたしの見てきたフリーハグさんだと、多分こっちが女傑気取りで「抱いてやる!」といかないと、結構気まずいんじゃないかとおもう。

どこかにラテンなフリーハグさんもいるのだろうけども。それとも、いざとなると案外フランクなのか?

最近お酒をのまなくなったのだが、今度酔っ払ったらすかさず抱き合ってやろう。

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オンナの勲章

長い間オンナ(オトコでもいいけど)をやっていれば、誰にだって『あー、何故だかこのタイプの方には比較的わたしの魅力が通用するんだな…』というのがあるでしょう。ありませんか?

わたしの場合、それは工事現場のガードマンさんと、話したがりのおばあさんだ。子供の頃から親しく話しかけてもらったり、何か頂いたりする。お菓子やジュース、娘さんのお下がりや、唐突に植木鉢やお好み焼きの素、ストッキング。下手すれば金品の類(さすがにお断りしますけど)。

知り合いの結婚式の二次会があったので、ちょっとばかりいい服を着て出掛けた。風邪をひきかけていたので、マスクもつける。怪しいか?まあいいか。

急行電車を待っていたら、ひとりのおばあさんが柱の陰から手招きしていた。どうしました?と訊くと、電車に一緒に乗って欲しいという。お安い御用だ、とおもい手を繋いで電車に乗り込む。

おばあさんは、わたしの降りる駅のひとつ先まで行くらしい。待ち合わせには間に合わなくなるけれど、心配だし、おばあさんの降りるところまではついて行こうか。先に会場に向かってもらえるように連絡しておこうかな…と携帯電話を握り締めていたら、おばあさんがにこにこして言った。

「ありがとうね~。おねえさん、お洒落やし、色も白くて綺麗ね~」

いえいえーとんでもない…嬉しい、えへへー(色が白いってマスクのことじゃないよな?)。

「あんね……お友達になって欲しいんやけど…」

え??

「お茶のもう」

それは素敵ですけど…わたし今から行かなあかんくって…ごめんなさい~。

「ほんなら、明日の昼」

いやっ、明日は…仕事やし…(そんなんないけど!)。

「ちょっとだけ!なー、なー!」

謝ってなんとか納得してもらえたとおもったが、今度は5000円札を渡されそうになる。おばあさんの小さながま口に、コテンコテンに折り畳まれて仕舞われていたお札…。皺を伸ばしても伸ばしきれない、くしゃっとなったお札…。きゃー!

だめだめだめだめ!

友達って、そういうことじゃないでしょ!

生憎電車は混んでいて、何だ何だとみんなが見ている。パッと見、優先座席のご老人から巻き上げているような画!仕舞って!早く仕舞って!

「まー!まー!まー!まー!まー!(握らせようとする声)」

まー!まー!まー!まー!まーーー!!(押し返す声)

押し問答の末、無事お金を仕舞ってもらい、びっっっくりするくらいの力で握り締められていた手をじわじわ引き抜いて、わたしは予定通りの駅でおばあさんを置き去りにして降りた。

二次会には結局、道に迷って遅刻した。

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可能性について

昨年末、我が家から徒歩2~3分の距離に銭湯ができた。今までは車かバスに乗ってしか行かれなかったお風呂に、かなりおもいつきで行ける。

ジャグジーや薬湯を眩暈がするほど愉しんだあと、お風呂屋さんの醍醐味である白牛乳を購入する。

脱衣所には、ママさんグループが率いている子供が9人ほどいて、子供らもすきな飲みものを口々に主張していた。バナナオーレ!いちごミルク!フルーツ牛乳!

その9人の子供のなかに、入浴中何故かずっとわたしに付いて歩いていた男の子(マルコメくん)がいて、その子が牛乳を飲んでいるわたしのそばに再びやってきた。

「おねえちゃん、牛乳いっぱい飲んでるからでっかくなったんかー!!」

マルコメくんの絶叫を機に、脱衣所では牛乳コールが巻き起こった。

ぎゅーにゅう!ぎゅーにゅう!でっかい!ぎゅーにゅう!

子供たちがわたしを取り囲み、わたしは囃したてられている。こんな日本昔話のような吊るし上げをおとなになって食らうとは、一体何ということだ。ただたんに、でかい女が牛乳を飲んでいるだけなのに。

だが、牛乳飲んでいるだけでこんなに注目を集めることができるなんて(マルコメくんにだけだけど)、もしかしたら、わたしの使命は牛乳の普及率をアップさせることなのだろうか。

それとも、前世がホルスタイン。もしくは現在の守護霊がホルスタイン。

まあ、わたしの背が高いのは、遺伝とお祈りの成果だとおもう。マルコメくんもがんばってみるといい。

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