地域と個人
茶柱が立った。
ちょうど両親と食事中だったので、得意げに見せてあげた。縁起のお裾分けだ。
すると、母が慌てて言った。
「茶柱が立ったら、(茶柱の存在を)ひとには黙って願いごとを念じなあかん!」
茶柱にそんな威力はないだろう。父も、母の言葉に苦笑いだ。違う違う、と手を振っている。
「茶柱はな、見つけたらぴゅっと取ってポケットに入れて持って帰るんや」
ポケット?なんでポケット?ポケットのなかって、案外キタナイよ!そこに大事な茶柱を入れていいのか?ただ持って帰るだけではだめなのか。
その後、流れ星と間違っているのでは?という話にもなったが、両親とも間違っていないと口を揃える。
流れ星の場合、母は秘密で願いごとをおもい、父は流れ星の流れる方へ手を懐に突っ込む(と、お金がはいってくる)らしい。
流れ星が、向かって右から左に流れたら、右手を服の首元から左胸の方へ差し入れる…とのことだ。
ちなみに、父と母の出会いは我が家の最寄り駅の隣の駅なので、そんなに地域差はないはずだ。うちの地元は茶柱と流れ星に関しては、各自の個性を重んじた受け止め方をする地域だったのか。
母の個性は、秘密ずき。そして、父の個性は持って帰りたがり。
その遺伝子を分けたわたしは、昔からやけに交換日記をしたがる傾向にある。
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