ビューラーの恩返し
昨日。黄昏時のマツモトキヨシの片隅で、わたしはひとり屈み込んでいた。
ビューラーが欲しい。
何故だか強く感じた。でも、もちろんビューラーは持っている。朝に昼に大活躍だ。まぶたの肉も一緒に挟むくらいのイキオイで(泣きます)、今日も根元ギリギリからまつげをカールさせているぜ。
そういえば、ビューラーの寿命はいつなんだろう。でも使えるうちは使わないと勿体ない。ごみになっちゃうんだから。
一重部員としての意識がビューラー購買欲に結びついたのか。しかし、わたしは振り払った!そして当初の目的であるコットンだけを手に、レジへ向かった。
そして、今朝。
ハナウタまじりにビューラーをまぶたにあてた。一瞬、いつもと重心が違うような気がした。ザク。まつげが切れた。
…!
…痛い!それよりも、まつげが!まつげが!
落ち着いてビューラーを検分すると、まつげを挟んでカールさせるフレームがゆがみ、ゴムのクッション部分からずれている。女子の救世主・ビューラー様が、まぶたのカーブにフィットするただの鋏と化していた。
昨日、突如マツキヨでわたしを襲った衝動は、老体に鞭を打って頑張ってくれていたビューラー様のふりしぼった最後のお力だったのだ。
ありがとう、ビューラー様。そしてお疲れ様。でも残念ながら、その心はわたしに届いちゃいなかった。その代償が切り落とされたまつげだというのなら、わたしは甘んじて受けよう。
まつげがないと、うす曇りでも眩しいです。ビューラー様。
あたらしいビューラーさんには、いよいよという時には、もう少し解りやすい方法でお知らせいただきたい。使う前に(ここ重要)震えながらばらばらと散るとか。
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