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あたらしい風

今日で退職してしまう同僚がいて、あまりのさみしさに自分でも驚きながら仕事をしていた。

なんというか、全体的にハードロックな言動を持ち合わせつつも、フォークな心も忘れちゃいない…みたいな、本当に二面も三面もあるようなひとだったのだ。何で音楽で例えてみたかと言うと、その同僚が無類の音楽ずきだから。

あんなにひとの心を鷲摑みにするひとを、わたしはしらない。

そして、そんな同僚が最後にわたし達に残してくれたもの…寄せ書きだ。

寄せ書きだ。ひとり寄せ書きfor職場の人々。嬉しい。嬉しいよ?でもホラ、せっかくなら個人個人で手元に残せるようなものがいいじゃない??これ、あとからどうすんの?コピーか。人数分コピーすんのか。でもわたし原本がいい。綺麗な色ペンで書かれてるし。

立ち尽くすわたし達の肩を叩いて、同僚は去って行った。

   

か、かっこいい~

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なつかしさ

レンタルビデオ屋に行くと、いろんなドラマのDVDが置いてある。日本のもあるし、外国のもある。

ずっとあれば欲しいとおもっているDVDがあります。

それは「ダーマ アンド グレッグ」。二回くらいは深夜に再放送をしていたようにおもう。なんであの時録画しておかなかったのだろう。一生の不覚。

自分以外に「ダーマ アンド グレッグ」に拘っているひとを見たことがないので、仕方ないことかもしれないが、もう一度再放送でもしないものか…。

未確認だが、伊東家の食卓のエンディングあたりのナレーションをしているひとはダーマ(の声優さん)だ。きっと。聞くたび「あぁ~」となる。言い忘れていたけれど、ダーマとグレッグは夫婦です。新婚さんの話です。ダーマが妻のほう。

ところで、日本語吹き替え版の旧めの映画をテレビで観ていると、「にこにこぷん」のぽろりの声がすることが結構ある。すごく気になる。

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センチメンタル

 引越しの荷づくりの最中、がらくた入れからささくれ立った記憶が転がり落ちた。

 それは、ちょうど往来していた恋人の足の下で不穏な音をたてた。私は脆く散らばったプラスチックのかけらを、総て綺麗にあつめて捨てた。

 そのふるいフィギュアは、割とながくお守りにしていたものだ。横から見た姿勢が似ていた、ひっそりとした鼻筋が似ていた。あの頃は、そういうもののいちいちが貴かったのだろう。

 恋人は、神妙に縮こまっていたが、そんな情けない顔をされては私も困ってしまう。夜が近づいても片付く糸口すらない部屋のなかは、お互いを含めて不要なものばかりだ。

 風呂場で恋人がつかう水の音が響く。日常をうまく装うことができないのは、後悔しているからではない。私はすこし焦る。恋人がお風呂からあがってきてしまう。その前に。

 床の上にざらりと残る、プラスチックを撫で続けている。

 つけっぱなしのテレビは、いつの間にか落語に変わっていた。笑いがとまらない振りをして泣いた。

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オトコ道

九州男児、と口にするたびに本当にこれでいいのか一瞬迷う。男の代名詞「九州男児」の「男児」部分が気になるのだ。

わたしのなかにある、「男児」関係の抽斗は以下の通りだ。

男児 8分丈パンツ(ポリエステル65%、綿35%)

男児 キャラクタートランクス100~160cm

…ほぼジャスコ発信ですけど。

     

辞書を引いてみたところ「男児」にはちゃんと成人男子という意味もあった。でも納得がいかない。男気溢れる九州の男性陣は、九州男児を名乗るとき、ひとかけらの違和感も抱かないのだろうか。こどもあつかいするなよー、とか。

それとも、男性を掌でころがす九州女性の知恵なのだろうか。

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ぬかったか…

3日ほど前、仕事の帰りになんとなくお洋服を見に行ったら、秋だった。もう9月だもんなーとおもった。

なので今日、お出掛けするときに秋を意識した格好をしてみた。それなのに、街ゆくひとはみんなTシャツとかアロハとか。おもいきり夏全開の装いだった。

そりゃあそうだよ。だって晴天だもの。めいっぱい太陽が照りつけているもの。

勇み足だ。いつもどおり、適当な格好で行けばよかった。

でも、わたしがいつまでも夏気分でいると、みんないつの間にか秋に移行しているじゃん。そんなのはイヤだ。

みんな、はやくわたしに追いつけ!

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万能の文字

最近、ローマ字があやしい。MとNが一瞬で判断できないのだ。ぬ、と入力したいのに、気づけば、むになっていたり。

ローマ字を覚えたての小学生の頃は、ローマ字ができれば外国に行っても大丈夫だとおもっていた。すべての基本はあくまで日本語だとおもっていたあの頃。表記を変えることで乗り切れる、と信じていた。

近所の「MORIMOTO」さんの表札を見て、外国人が住んでいるとおもい込んでいたくらいだ。おもい込むだけならまだしも、言いふらしていた。読んでみれば解ることだったのに。

笑顔で見過ごしてくれるなんて、やさしいひと達に囲まれていたんだなぁ…。ゆってよ!ともおもうけど。

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スポットライト

冥王星に興味がわいた。

昨日までは、ニュースで冥王星が惑星から外されたと聞いても、あそう…くらいのものだった。だいたいさぁ、冥王星は自分のこと惑星だとか、どうでもいいとおもってるのに騒ぎやがって、くらいにおもっていた。

でも、今朝新聞を読んで識った。みんな、冥王星のことがだいすきだったんだね。

今回、その大きさから「矮小惑星」に分類されることとなった冥王星。わたしは勿論知らなかったのだが、99年にも惑星から外されそうになっていたらしい。それではもう仕方がない。諦めるしかないよ、冥王星。

わたしが何よりも心温まったのはやはり、‘反対派を配慮して、冥王星は「矮小惑星」の中でも代表的天体として特別に扱う‘という記事。

それって、口約束じゃん!メンタルな意味合いだけじゃん!

それで納得していいの?一流校の最下位より二流のトップ…みたいな。頑張った子はみんな一等賞です、みたいな。昔はやんちゃしとったんや…って言う近所のおいちゃんみたいな。(違う全然違う)

それにしても「冥王星を特別扱いせずに済むように、じゃあ惑星12個で!」ってそこまでか。わたしが冥王星だったら、もういいです…自分外れますから…って言うな。よかった、冥王星が弁えてる子で。

惑星の定義を決める機会があってよかった。勿論ワケ解ってないけど。冥王星(にまつわる人々)と出会わせてくれてありがとう、という気持ちだ。

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おいしいもの

「博多通りもん」の紙袋を持ったひとが、電車にいた。じいいぃっと見る。

おみやげもののお菓子はおいしいものでいっぱいだ。

通りもんは6年連続モンド・セレクションの金賞を受賞しているらしい。6年。6年の間、通りもんを越えるお菓子は世界に存在していないということか?どうなっているのだ、お菓子業界。通りもんは毎年リニューアルを図っているわけでもなかろう。むしろ変わらぬおいしさ。

そして、それより「モンド・セレクションをとりました!」というお菓子を日本国内でよく見かけるような気がするが、気のせいだろうか。以外に簡単にとれたりするのか?それとも、一度獲得したモンドは永久不滅なのか?それとも、実は日本が世界に誇るモンド大国なだけ?

その壁は、厚いのか、高いのか、そうでもなかったりするのか。お菓子のおいしさに気をとられて、モンドに惑わされてはいけない。

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略して

ギャルであっても、あぶらとりがみのことは「あぶらとりがみ」ってちゃんと言うのだなぁ。

これ以上ないほどに完成された名称なんだ。あぶらとりがみ。

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わが身

お昼ごはんにリゾットを食べた。おいしかったけれど、半分も食べられなくて、しかもかなり気分が悪くなってしまった。

午後じゅう、おえっとなっていた。

そういえば、おかゆを食べると調子が悪くなるのだった。雑炊は大丈夫なのに。味がついてるかどうかの問題だとおもったんだけどねー、と言うと、一緒に食事していたひとに、触感の問題なんじゃないの?と返される。

そうだったのか!

   

そして、晩ごはんは肉だった。

肉は苦手で、おいしいとおもっても、そんなには食べられない。ただ、今日の肉は何枚でも食べられた。赤身の肉だ。

おいしいなぁ、と連発するわたしに、母が言った。あんた、脂身が苦手だからね。

そうだったのか!

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単位

夕方。日が暮れるまえに帰路につくと、野菜売りのおばあさんを見かけるポイントがある。

トマトなんてもう真っ赤っ赤。はちきれんばかり…いや、むしろ汁がでてるよ!きゅうりはあくまで緑々しく(へんな言葉!)、限りなく自由にうねっている。

それが一盛200円。どうですか、奥さん!

ただ、ひとつ問題がある。

ダンボール紙に、ひょろっとしたマーカー文字で「一盛」と書かれているのだが、その紙はでっかい木箱に山になったお野菜のうえに埋もれている。

盛…ってるよね?うん、盛られてる。

一般の八百屋さんで、見かけるような籠はひとつも見当たらないのだ。なので、差しだされる情報だけで判断したところ、「一盛200円」は「この山200円」ということになる。なんてお買い得!野菜の価格の高騰ぶりが問題になっている昨今、まるで夢のようではないか。

だけど、買えない。一盛ください、と行ってみて懐からちっちゃい籠をだしてこられでもしたら。

そしてなにより、ほんとにあの山を売られてしまったら。それがいちばん困る。

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なぜなにどうして

ほっといたらテレビを観ない。

そしてここ5日間ほど、新聞も読んでいなかったので(ぎりぎりまで寝ているから)、世の中のことが本当に解らなくなっていた。新聞読んでても解っちゃいないのに。

今日ニュースを観ていて、経過の見えない事件が多すぎてやばいとおもった。

ニュースキャスターの発言の内容すべて、片っ端から両親に質問していたら、かなり久々に父に一喝された。

「もっとテレビを観なさい!」

20年近く昔のわたしならば、小躍りしていただろう。遊びに行くのを断ってまで、テレビが観たかったあの頃。友達なんていらなかった、テレビがあればよかった。…わぁ、こわい。

当時、両親にきつく叱られたわたしは、意地になってテレビを観なくなったのだった。

わたしの人生で、唯一の成功といってもいいかもしれない。あまりテレビを観なくなったこと。これからも堂々とした気持ちで、世の中の流れを見逃していこうとおもう。

早起きして、新聞くらい読みなさいよー。はーい。

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アウトドア

今日は超短編でお世話になっている方々の、オフ会に出掛けます。

「オフ会」って、わたしは最初、「たまにはパソコンの電源を切って、おもてへ繰りだそうゼ!」というような、子供は風の子的発想の略称だとおもっていた。でも、数年前お聞きしたところによると、オフラインミーティング…ぽいことを教えていただいたような気がする。

かるい会議なんだ!

緊張は高まってきますが、なにかしら発言してこようとおもいます。

そういうわけで、また。

   

 

と、いうわけで行って来ました。

ランチ→大阪市立美術館(プラド美術館展)→お茶…をするために、春名トモコさんと永子さんと待ち合わせ。遅刻してすみません…。その後、晩ごはんを食べるまえに、由香さんと合流。

今までのオフ会であれば、「わ~…。みんな実在するひとなんだ…」という想いでいっぱいで、どうしていいのか解らなかったけれど、今回は違います。春名さんと永子さんにはお会いしたことがあるから。

で、なにかしら発言はしましたけれど、特に超短編に関係ないことばかり話していました。雑談です。もっと何かあろう!とおもってはいましたが、知的な話題をふるほどのインテリジェンスはわたしにはない。でも、もうちょっと何か…違うアプローチがあったでしょうが、自分!とはおもってますが。次回の課題ということで。

そして、春名さんにお願いして、豆本というやつを見せていただきました。予想を超えて小さい!欲しい!つくれよ!自分で!五十嵐彪太さん作のものも持ってきていただきました。神の仕業かとおもいました。すばらしい!

精進しようとおもいました。

おいしいごはんは食べられたし、絵日記も書いたし(お茶のんだカフェでやってた)、女子っぽい話もしたし、今日はいい一日でした。

春名さん、幹事ありがとうございました。永子さん、由香さん、とってもたのしかったです。

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バナナはおやつに

赤信号にひっかかった。すると、同じく信号待ちをしている隣のカップルが、かさかさぱりぱり耳障りな音をたてていた。

歩きながらもの食べるのはお行儀悪いよ!とおもってちらっと見て、驚いた。おもわず二度見したくらいだ。

…味付けのり。

あの、旅館の朝食にでてくる、小袋包装の味付けのり。それが彼女の手提げからどんどんでてくる。どんどん食べてる。

一枚ずつ口に運ぶ、とかいう勢いではない。かたまりだ。袋からだした、その重なりをばりばり齧っている。スナック感覚?

たしかリリーフランキーのエッセイで、のり工場で働いていたときにのりを主食にしていたという話を読んだ。でもここにあるのは違う。

青い空(今日は快晴でした)、爽やかな(ビル)風、微笑みあう恋人たち、のり。普通にCMがつくれそうだ。清涼飲料水みたいな雰囲気があったもん。あのカップルの齧っているのりは、決して湿気ることがないだろう(イメージ)。

わたしは、バナナはおやつに入らないとおもう。よーく考えた上で、入らないとおもう。で、のり。うん、ぶっちぎりで入らない。考えるまでもなく入らない。

あの2人は、遠足のときにはポケットいっぱいののりを持っていっていたんだろうな。誰に咎められることなく。だって、おやつじゃないもの。

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男と女

ゴキブリで悲鳴を上げる男性のなんと多いことか!!腹立たしい!

昔、理想の男性像を聞かれたときに、「ゴキブリを退治してくれるひと」と答えたことがある。うちの父が、ゴキブリを発見すると、夜中であろうと箪笥を動かすことになろうと、必死で殺してくれるので、男のひとはそういうものなんだ…とおもっていたのだ。

わたしって、なんてハードルの低い女なんだろう…と、うっとりしたくらいだ。

ところが。職場にゴキブリが出たとき、一番に反応していたのは男性陣。なんとか立ち向かおうとするものの、へっぴり腰。ゴキブリが動くたびに、叫んでいる。

わたしはないものねだりをする甘ちゃんだったんだなぁ…。おもい知った。まだまだだな、わたしも。

そして、ゴキブリはわたしがやってやりましたとも。すぱーん、とね。

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遺伝子

父と2人で2年振りくらいに、一緒にラーメンを食べに行った。ちゃんぽんが食べたい!と父が駄々をこねるので。

注文してから席を外して、戻ってくるとちゃんぽんが来ていた。

父がラーメン鉢のなかの麺をめいっぱい箸でつかみあげて、麺の柱をつくっている。

じっと見ていたら、父は、冷ましてんねや、と言った。

猫舌とか、細かいことまでわざわざ遺伝するんだなぁ。どっちでもいい気がするのに。

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水浪漫

 夏休みに訪れる田舎で、私はいつも道に迷うことにしている。

 深い緑を纏ってひとり歩き続けると、生温かい木々の呼吸に混じって兄がいる。葉の上にとまった甲虫を、虫眼鏡で覗き込んでいる。軽い安堵と眩暈が私を襲う。

 この季節、この場所でしか兄には会えない。だから私がおもうのは、雪が降っていても、花が咲き乱れていても、いつも夏服の兄のことだ。

 いつまでも変わらずに細い、兄の腕が私を抱いた。日常と脂肪を重ねた私の体よりも、その肌はみずみずしい。熱を持たない兄に触れられると、私はその足元に平伏したくなる。

 あの日の白いワンピース、再生する森、兄だけだった日々。夏を待つ間に少しずつ、保てなくなるテンション。

 今ではもう、私はかなぶんすら摑めなくなったし、ひとりぼっちでもなくなった。

 目の前の兄の肩が、力を込めたように震えた。私は自分の体から流れるものが、汗なのか、涙なのか、それとも植物たちの吐きだす露なのか、皆目てんで解らない。

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儀式

 2本、揃えてたてた線香の煙がほそく立ちのぼる。

 とるとると真っすぐ、たまに波打つ。不意に薄く途切れる。ひとすじの白い匂い。

 高く伸びたそれは、君のかたちにまるく沿う。

 総てが尽きてしまうまで、目をそらさずに見てた。

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職業的イメージ

おとなになった今もなお、まだそういう特別な感情を持っていることに驚く。

法事に来たお坊さんが、車に乗って来ることをどうしても認められない。

子供のころから法事がすきだった。夏休みの中でも、特にお盆を楽しみにしていた。お坊さんがお経を唱える後姿を、前列で、かぶりつきで見つめていたものだ。

お経のあと、死後の世界の話をしてくれるお坊さん。お茶を綺麗に飲み干す姿が美しいお坊さん。だされたお茶菓子を、そのままお懐紙に包んで持って帰るお坊さん…。

うっとりと、お見送りをしに立って、毎年そこでハッとする。

そうだ!このひと車に乗ってるんだ…。

せめて、せめて、乗り物がスクーターであったなら…!わたしだって傷つかずにお見送りできるのに…。

家から見えないところへ一旦駐車して、托鉢みたいな格好で歩いてきてくれるのが、本当はベストなのだが。エンジン音が聞こえてくるまでに、家にきちんと入りますので。

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あぶら

ラーメンを食べに行った。

同行者が、びっくりするくらい食べるのが遅いひとだったので、食べ終わったラーメンばちを前に、じっと待っていた。

スープの上で、あぶらが水玉になっている。

くっつきあった膜と膜の際を、箸でつつくと、ぽわ、と大きくなる。手近な玉からどんどん大きくしてやる。ぽわ。ぽわ。ぽわ。

よし、今度は遠征して向こう側のやつを拡大してやる。ぽわ。

で、この大玉は、あっちの大玉と合体だ!にょーん。わぁ!玉が分裂したぁ!修復だっ。ぽわ。

「もういいかなぁ」

いつの間にか食べ終わっていた同行者が、退屈そうに言った。

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持ってる切符

かなり久し振りに、いつも乗る私鉄以外の電車に乗った。

こういうとき不安なのは、果たして私の持っている切符でその電車に乗れるのか?ということだ。

特急券的なものがいるのかいらないのか。この電車は速そうだぞ。

おもいっきり地元民のわたしが、それを駅員さんに聞くのははずかしい。聞いたところで、次に利用するときにもまた聞くし。

そういう時は、「必殺・観光客のふり」だ。

「すいませーん。この電車ってー、特急券とかーいるんですかー」

イントネーションを変えるのだ。標準語を意識しているつもりではあるが、アクセントが少しずつ訳のわからないことになってゆくのは否めない。北でもあり、南でもあり、海の向こうでもあるような。雰囲気はカタコトだ。

このワザを使うたび、地域交流に暗い影をおとしそうで、嫌な汗をかく。

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消える花火

花火を見た。

綺麗だったので、写メールを撮って友人に送ろうとおもった。なのにシャッターチャンスがおもうようにいかない。

えい、と撮ったら満開の花火がしょぼしょぼと散り落ちている。ならば速めに!と押してはみても、咲ききってない。

唯一うまく撮れたのは、サカナの打ち上げ花火だった。

最近はいろんなカタチがあるなぁ。UFOとか、ハートとか、星とか、りぼんとか、スマイルとか、ドラえもんとか。めがねもあった。ダンベルじゃなければ、多分あれはめがねだ。

何でめがねを作ろうとおもったんだろう。

わたしは柳がいちばんすきだ。もんたよしのりの後姿のようで。夜空に響くダンシオールザナイ。

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認識

ジャイアンは「ジャイ子の兄だからジャイアン」だ、と聞いた。

わたしは、子供の頃にドラえもんをあまり観ていなかったので、記憶が定かではないが、その由来が真実だとすれば、ジャイ子の存在感はどのくらいのものなのか。あくまでジャイ子発信。兄なのに。ジャイ子なんて、まんが描きに忙しいせいか、あんまり登場しないのに。

ジャイアンは、子供たちを恐れさせる圧倒的な力を持つ、ガキ大将の鏡だとおもっていた。違うのか。

むしろ、ジャイ子の威をかっていたのか。ジャイアン!騙していたな!わたしを。

おとなになった今、あたらしい気持ちでドラえもんを観てみようとおもう。きっと新たな事実に出会えるはずだ。

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夏なので

夏なので、頭皮が汚れるのはよくない…とおもい、シャンプーを買ってきた。週に1,2回つかうクレンジング用シャンプーだ。

メントール配合で夏のアタマにぴったりだ。そういえば、中学生のとき、父のトニックシャンプーを勝手につかっては怒られたものだ。くせになる清涼感。

ただ、今回のシャンプーは、トニックのヤツとは一味違う。

だらりとおでこに泡が垂れようがものなら悲鳴だ。痛い!しみるよ?傷ひとつない肌にしみてるよ??

泡立ったシャンプーの香気にやられて、息もくるしい。メントールは危険なものだったのだなぁ…。

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セキガハラ基準

東京にお住まいの方と、電話でお話しする機会があった。

何故か途中で静岡県の話になり、やっぱり経緯は忘れたが、「ああ、関東!」とわたしは相槌をうった。

東京の方は、「あ、関西に住んでる人は静岡も関東の感覚なんですね~」と、おっしゃられた。

え?違うの?

めいっぱい関東だとおもってました。

関ヶ原から東京くらいまでは、自信もって関東と言っていいとおもっていた。そりゃ確かに中部だの東海だの、耳にした事はある。けれど「関西」そして「関東」だろう?間に関ヶ原なくして、その名称はおかしいだろう?

傷ついただとか、腹立たしいだとか、恥ずかしいだとか。なんだかよくわからない感情がうずまいている中、電話を切った。

くそぅ、こうなったら戦じゃ!

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アイドル的

毎年この時期になると、音楽をこよなく愛する友人たちが揃ってフェスの話をしている。フジロックとかそういうのだ。

わたしの好きなアーティストも結構でているので、軽く誘われることもあるが、わたしはライブというものが苦手なので行ったことはない。

ライブって寂しくないですか?

特定の誰かのライブも、何人(組)かが集まってやる音楽イベントも、行ったことはある。でもいつも楽しさよりも先にマイナスな気持ちがわたしを襲う。

今○曲目だ…て、ことはあと●曲くらいなんだ…。

あ~せっかく生でこのひとを見られたのに、もう帰っちゃうのか~。

…もうっ!こんなに悶々とさせられるくらいなら、いっそ早く終わってしまえばいいのに!

イベント系のものだと、しばしば名前も知らなかったアーティストもいらっしゃるが、そんなひとでも曲のあいだに素敵なトークを聞かせてくれたりすると、途端に片想いモードだ。行かないで~!!やっと会えたのに…!

和気藹々とした飲み会等でも、この心のうごきはみられる。

もうこうなったら、みんながみんな自分の生活なんてほったらかして、輪になって過ごし続けられたらいいとおもう。これからのことなんて気にすんな!

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ぬる~い

毎朝つかう、のみものの自動販売機は、何を買ってもぬるい。かろうじて体温より低いくらいの温度だ。

けれど、わたしはいつもその自販機を利用する。電車の乗り換えの待ち時間のときにちょうどいい立地にあるのだ。

ところが今日は、一本はやい電車に乗れたので、別の自販機まで足を伸ばしてみた。

ひえひえだ!

ただ、そのペットボトルを鞄に入れておいたら、水滴でびしょびしょになってしまった。

やはりのみものは常温に限る。

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富士山

 職場の同僚のコロボックルが、退職することを私に伝えに来てくれた。

 入社以来、ほんとうにお世話になりました。

 私たちは会社の廊下の片隅で、乾杯をした。牛乳をちびちびとやりながら、彼は晴ればれとした顔で笑った。

 いやね、ワタクシやっと見つけたんですよ。

「何をですか?」

 眠るために目を瞑るとね、瞼の内側に白い稜線が見えていたんです。子供の頃からずっと。その山をね、見つけました。

「やま」

 ええ。この間あなたと行ったでしょう、出張。新幹線からね、もう窓いっぱいに。で、その時これはおぼし召しだろう、と。

「おぼしめし」

 きっとあそこで、誰かがワタクシを待っているのです。

 彼のちいさな足音が遠ざかっていった。私は目を閉じて、それを聞いていた。

 瞼のうらに、私にも見えた。でもそれは、最後に彼のくちびるを湿らせていた、牛乳の靄でしかなかった。

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あなたの感覚わたしの感覚

猫舌だ。

でもそれってどうなのか。と、おもう。

熱いものを口に入れれば、猫舌じゃないひとだって当然熱さを感じるはずだ。同じ(くらいの)温度のものを食べて、あるひとの舌は平気で、あるひとの舌は火傷する…そんなことがあるのだろうか。

もしかして、わたしは挑んでいないだけではないのか。甘えるな!わたし!

あちあち。

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ゴージャスに馴染む

先日、ちょっとした用事があってホテルに行った。緊張した。今までに、わたしの生活に在った「ホテル」といえば、日光金谷ホテルのピーナツバターとか、帝国ホテルのマーガリンくらいのものだった。なんで食パン関係?

そんなわたしが潜入。かつてありえない乗り越え方だ!と自分でおもった。

ドアマンに止められることは勿論なく、接客してくださった方は物腰やわらかで、長ランのような上着をお召しになっていた。

この快挙に調子に乗ったわたしは、友人とホテルでランチを計画中だ。

下界を見下ろしながら、「おとなになってよかった、っておもえる体験って大事よね…」とか自分にご褒美な発言をしてみたい。(ランチで)

決して「ねーねー、靴のまま絨毯の上を歩くのって、保健室のベッドでくつしたはいたまま寝る感覚と似てるよな!」とか大きい声で言ったりしない。

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動悸

自分はわりと面倒くさがりなんだな、とおもうのは、小説とかまんがに夢中になっているときだ。

どきどきするのが面倒になってくる。

続きが気になるのが嫌だ。ハラハラなんてしたくない。で、すでに結末を知っているひとに詰め寄ってしまう。終わりのページをチラッと見てしまう。

あー、なるほどね…。

そして納得して続きを読む。

自分がこういう性格なので、うっかりオチを話してしまって怒られることもある。いつもごめんなさい。今日も「デスノート」の最終回の話をしてしまった。4巻くらいで挫折しているくせに、だ。

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