積木あそび
久し振りに親子げんかをした。普段ならば、父親の偏屈も聞き流すくらいのことは心得ているのだが、たまたま虫の居所が悪かったのかもしれない。
父の説教は限りなく続き、はき捨てるようなその口調はいつも私を打ちのめす。しまいに父は、全く関係のない子供時代のことまで持ちだしてくる。蝶々結びが未だに縦になってしまうことや、家中の紐類を隙あらばみつ編みにする癖や、まるむしを無理矢理まるめていたことなどを、くどくどくどくど責められる。
黙って聞いているうちに、どうしても我慢ならなくなって、それで私は爆発してしまったのだ。
部屋中に散らかった私をみて、父はさすがに慌てた顔をした。ソファの陰から様子を窺っていた母も飛んできた。
母が父を罵りながら、私の欠片を積みあげてゆく。禿げあがった父の額に、うっすらと血が滲んでいた。面白くなって、完成寸前で私はまた飛び散った。おろおろと両親は顔を見合わせる。
勝ったな、とおもった。
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